DIALOGUE / PUSHIM
1. a celebration for you
2. Retro Girl
3. You said you love me
4. Morocco feat. MARIA(SIMI LAB)
5. TOKYO ONE DROP feat. AKLO
6. Wickedest Slam
7. キミガイナイ
8. いつも君を観てる太陽
肩の力が抜けてる様で、細部まで入念に作り込まれている。気安くて、楽に音と親しめるのだが、メロディやコーラス・ワークに彼女の尽きることのない創造性も十分に感じさせる。
オリジナル・アルバムとしては通算11枚目となるらしい。世界がコロナ禍に突入する以前に制作された前作 [Immature] がデビュー20周年で10枚目だったのだから、本作はそこからリスタートした作品といった位置付けなのだろうか。リラックスしている様に思える。新たなビッグ・チューンを更新しなければいけない的な、気負いや力みは感じさせない(と思う)。フレンドリーな雰囲気に満ちている。
CDとしての発売もなく、配信のみ。CDにしてもアナログにしても、盤は後からプレミアムなお宝として作ることも可能なんだし、今の時代に即した身軽さだ。
ベースの音作りがアルバム全体に暖かさを与えている様に思う。歪む寸前ぐらいまでに潰れたベース音の芯の部分から、グラデーションの様に広がる低音域に包まれている、とでも言えばいいのか。ジャマイカの音の感じだ。それが自然にフィットしている。タイトルの [Dialogue =対話] が示す様に、コロナ禍にじっくり静かに音と向き合った結果なのだろうか。レゲエであることに、地に足のついたアルバムだ。
Pushim独特の切なさ、ライミングの中に見るセンスとユーモア、そしてその絶対的な歌声。30分ちょいという短さも含め、いい感じだ、
何度でもリピートして聞いてしまっている。