動画鑑賞 in インフル隔離生活[後編]
インフルエンザ隔離生活で鑑賞した動画のレビューの後編だ。
9月の配信開始時にすぐ観て、最近再度第3話まで観返して中途になっていたNetflix制作のオリジナル・アニメ作品「ガメラ・リバース」の残りの3話を観た。
僕の小学生黄金期は、ガメラとゴジラの人気は拮抗していたと思う。何なら僕はガメラの方が好きだったかも知れない。
だからだと思うが、平成ガメラ3部作は結構好きだ。
金子修介が監督し、エヴァ関係者の樋口真嗣が特技監督を務めた平成ガメラ3部作は、3作通してストーリー、登場人物に繋がりがあり、設定も細やかで面白い。作品を重ねるごとに映像のクォリティもグングン上がったところも良くて、京都駅を大破壊してしまう完結作「ガメラ3」なんてメチャクチャ面白い。結果を出して、会社を納得させ、予算を勝ち取っていった制作サイドの努力を感じさせる。
「ガメラ・リバース」は、アニメーションであり、全然別のお話ではあるが、その空気感は平成ガメラ3部作の延長線上にあると思う。あのガメラのデザインは平成ガメラ無しには有り得ないし、話の中で右腕を失ってしまうシーンなどは完全に「ガメラ3」に対するオマージュだ。
でありながら、平成ガメラ3部作がレギオン、イリスといったオリジナルの怪獣を登場させていたのに対し、「ガメラ・リバース」は、ギャオス以外の昭和ガメラの怪獣を令和のデザインで復活させているところが泣ける。
特にギロンの登場は良かった。バイラスも良かったがギロンが良い。
平成ガメラ以降、何となくギャオスがガメラの敵の定番みたいになっていて、それもしょうがないとは思うが、僕の子供頃の感覚では、ギャオスは雑魚キャラだ。ゴジラに対してキングギドラがいる様に、ガメラにはギロン、というのが僕の持論だ。異論の余地は無い。あのサメの様な、包丁の様な、日本刀の様なフォルム。刃紋も美しく表現されていた。プレデターみたいに開く口も良かったです。
なんか3年ぐらい待てば続編が見られそうな雰囲気。気長に待つか。
https://gamera-rebirth.com
吉沢亮と宮崎あおいが主演したNetflixオリジナル映画の「クレイジー・クルーズ」も観た。配信開始されてすぐに観た。
このサムネイル画像の中には流石にいないが、本編中には永山絢斗が思いっきり出ていた。本来ならこの画面の中で菊地凛子の横にいるべき存在である。
永山絢斗ってバカな2枚目とかやらせると面白いよねー。本作においてもバカな俳優の役をきっちり演じていた。然るべきタイミングで復帰させてやってもいいんじゃないか。でもその時はバカ役はしばらくはやれないかもな。つまんね。
作品はまあまあ面白かった。好きな感じではある。
お話しは、地中海クルーズに出航したばかりの豪華客船で、殺人事件を目撃してしまったんだけど、船から降りたいヤツと、降りたくないヤツ、強引に事件を誤魔化そうとするヤツがせめぎ合うコメディ。
脚本は、古くは「東京ラブ・ストーリー」、最近では「大豆田とわ子と3人の元夫」の坂元裕二。監督も「大豆田とわ子と3人の元夫」の瀧悠輔。
宮崎あおい、ちょっと歳取ったけど良かった。
https://www.netflix.com/title/81502828
3時間ぐらいの尺があるので、見るのに躊躇していたのだが、これを観るならこんな病気の時だと思い、「ザ・バットマン」を観た。
バットマンって、ジョーカーみたいな敵キャラがメインの話や、「ダークナイト」みたいな何作かでシリーズになってるやつもあるけど、何度も何度もリメイクされ過ぎだろ。
最近になって、2017年の「ジャスティス・リーグ」の世界のベン・アフレック版バットマンが定番と言われる様になってきて、それを引き継ぐ形でDC映画が「DCユニバース」という世界に統一されるなんて話を聞いてたのに、その側からこの2022年度版の「ザ・バットマン」だ。どういうつもり?
と思ってWIKIって見たら、これはこれで本作を監督したマット・リーヴスによる「バット・バース」という新たな世界の第1作目で、後2本続編作って、何本かスピン・オフも作るつもりらしい。
「マルチ・バース・ユニバース」っていう都合のいい解釈が出来てから、何でもアリになった感じだな。「多元宇宙」っていう理論物理学や量子力学など多くの科学的分野で論じられている論理だ。余談だが、僕もマンガで採用するつもりではあるんだけど。
でもそれだけバットマンとは魅力的なキャラクターで、何人もの役者が演じたがるアメリカの国民的美味しいコンテンツだから、わざわざ小さくまとめてしまう必要ないということか。
今回のバットマンの設定は、バットマンがゴッサム・シティに現れて、勝手に悪を退治する活動を始めてから2年後みたいな世界。そこから大きな事件を経て、信頼を得るみたいなのが大まかな流れだ。
まだ市民も警察もバットマンのことを信用しきってはいないが、ゴッサム市警のジム・ゴードン警部補は周囲の反対を押し切ってまでして、バットマンに捜査の協力を求める。バットマンとジム・ゴードンのバディもの的要素も大きい。
今回の敵はナゾナゾ怪人リドラー。汚職警官や検事、市長らを血祭りに挙げながら、20年前に殺されたバットマンことブルース・ウェインの父、トーマス・ウェインも絡んだ、当時の市長選にまつわる疑獄をリドラーは暴こうとする。
その他のサブ・キャラとしてはキャット・ウーマン、ペンギン、マフィアのファルコーネなどが出てくる。次作にはジョーカーが出てきそうな感じを匂わせていた。
https://wwws.warnerbros.co.jp/thebatman-movie/
「マルチ・バース」というならこの映画はまさにそれを題材にした話だった。「エヴリシング・エヴリウェア・オール・アット・ワンス」だ。
小田原の姉の息子である34歳の甥が結構映画好きなのだが、最近見た映画の話を前にしたときに「エヴエヴ見てたら涙が止まらなくなった」とか言っていたのを思い出し、観てみることにした。
2023年度のアカデミー賞の作品賞を含む最多7部門受賞したという作品だが、例によって僕は予備知識はゼロの状態で観ることにした。
冒頭、中国系アメリカ人の主婦のエブリンの、夫、娘、父親などの家庭内の問題や、商売の赤字への苦悩が語られる。多発する問題を抱えながら彼女は税金の申告をし直すことを命じられ国税庁に向かう。
この時点で僕は全くどんな話か分かってない。作品賞を取って、あいつが泣くぐらいだから、何か苦労話の末に感動するみたいなやつかと訝しんでいた。
そしたら全然違うじゃないか!!
いい例えが見つからないが、敢えて例えるなら、漫⭐︎画太郎の漫画を、ハリウッドが全力でVFXとかにも最高本気で金掛けて映像化した、みたいな感じか。コメディとかではない。ギャグだ。はちゃめちゃギャグ映画だ。まあ、ウンコとか出て来ないけど。でもオシッコなら出て来るし。
それと中国系アメリカ人自身によるカンフー映画のパロディでもある。
この宇宙より科学が発達した別の宇宙では、他の平行宇宙にジャンプする技術が研究されていたのだが、ある才能ある女性を追い込み過ぎて、彼女は全宇宙を飲み込むモンスターになってしまう。その全マルチバース宇宙の脅威ジョブ・トゥパキが、この宇宙におけるエブリンの娘ジョイに相対する存在なのだった。そのジョブ・トゥパキを倒し、全宇宙を守ることを、他の宇宙から来た夫に託されてしまう。
かくしてエブリンは様々なマルチバースにおける自分の持つ才能にアクセスし、それらの能力を身につけ、行き来しながら、ジョブ・トゥパキと戦うのである。
能力を得るためにマルチバース間のジャンプをするには、メチャクチャ普通では考えられない馬鹿なことしないといけない、という設定がミソで、その馬鹿な行為はどんどんエスカレートしていく。
このアホな話をアカデミー作品賞に導いたのはメッチャお金を掛けた本気のVFX技術であることはいうまでもない。6アンダーグラウンドは作らなくていいけど、こっちだったら日本人にも作って欲しいと思う。
にしてもあいつは何で泣いたんだ?
https://gaga.ne.jp/eeaao/
そしてもう隔離生活も終わったが、まだ早く寝ようなんていう段階で観たのが米ロック・バンド「FOO FIGHTERS」が主演の「スタジオ666」だ。
最近の流行りの80年代ホラー・テイストのコメディ。80年代はテイストだけで設定は現代。
10枚目のアルバムを制作するべくアイディアを出し合っていたFOO FIGHTERSが、呪われたいわくつきの家でレコーディングをすることになり、そこで様々な忌まわしい出来事に遭遇してしまうという話だ。
この映画は、全部そういうお約束の設定を飲み込んで観るのが礼儀だろう。面白かった。みんな死んじゃうし。
途中の演奏シーンとかは結構カッコいい。バンドの中心人物デイヴ・グロールが脚本書いてるみたいだ。
FOO FIGHTERS、特によく知らないが、全員芸達者だ。バンド・メンバー全員で出演って、昔のクレイジー・キャッツとかドリフとかの映画みたいだな。
これぐらいのこと出来そうな日本のバンドと言ったら誰だろう。ウルフルズ、とかか。サザンとかがやっても面白そうだ。若手で言ったらキング・ヌーあたりがやってくれたら大ファンになるところだけどな。
https://www.studio666movie.com
といった感じでこのインフル隔離生活で見た動画を勝手にレビューしてみた。でもそろそろ猫ヶ洞池にでも行きたいぜ。亀見たいぜー!