栄へ。
最近何かとモノが壊れる。
この間はプリンターが急に調子が悪くなった。スミが上手く出力出来なくなって、ヘッド・クリーニングを何度もやってるうちに起動出来なくなってしまった。EPSONのサイトで修理を調べてみたら一律15,000円+送料3,000円ときたもんだ。買った方が安い。
とりあえずお義母さんのやつがあるので、必要な時にはそれをお借りすることにした。
そんなこんなしていたら、昨日、Mac用のSuper Driveがイカれた。読み込ませるために挿入したCDが取り出せなくなってしまったのだ。
Appleは最初のMac Book Airが出た頃、多分12年ぐらい前から、ディスク型のメディアを切り捨てた。もう映像コンテンツも音楽コンテンツもダウンロードしろ、ということだ。唯一救いがCDもDVDも読み込めるSuper DriveなるディバイスをUSBで繋ぐことである。当時は純正品しかなかったと記憶している。ちなみにAppleでは純正品ではBlue Rayには未だに対応していない。今後もしないだろう。
僕は今でも欲しい音源は、CDで入手可能で、その方がダウンロードより安ければ、時間がかかってもCDで入手する。商品価格は1円ぐらいからあるものはある。その代わり送料が300円ぐらいかかるけど。
だからPCにCDを読み込むという作業はこれからも必須なのだ。何とか対処しなければならない。
だが、ここは名古屋。Apple Storeがある街だ。
小田原に居た頃は、Apple Storeに行くには銀座か渋谷まで行くしかなかった。電車移動だけでも1時間半はかかる。どんだけ面倒くさかったことか。今なら地下鉄で10分程度だ。
意気揚々と早速Apple Store名古屋栄店のGenius Barに、翌日の13:20に予約を入れた。移住後、初めての本格的な栄の繁華街探索だ。
その日。正午ぐらいに家を出た。
確かApple Store名古屋栄店はPARCOに近かったという記憶があるので、栄で名城線に乗り換えて矢場町まで行った方がいいか、とも思ったが、面倒くさいから栄で降りて、また適当な出口から地上に出た。
こう見えてもまだ名古屋に地理はあまり分かっていない。栄の繁華街のことも、突然地上に出たところで位置関係がすぐには分からない。
今日は外に出たら中区役所の横だった。
分からなくても歩き出すのが僕である。なぜすぐに地図アプリを見ないのか。それが僕だからだ。とりあえず勘で歩いてみる。迷ってナンボだろ。そうやって体に地理を叩き込むのだ。
だが得てして勘は外れることが多い。しばらく歩いて、あ、完全に違うなと思い、そこでようやくMAPを開く。案の定、逆方向に歩いていた。しかしこれで広小路通と久屋大通と大津通の関係性は分かった。体に地理が叩き込まれたのだ。多分。
そうして難なく(あったのか)13:00にはApple Storeに着いた。予定の20分前だ。
多分Super Driveの修理は不可能とは思っていた。もう10年以上使ったヤツだし。せめて中に入りっぱのCDを出してもらって、新しいのを買うしかない。ただ中に入ってるCDが、1円+送料330円で買った元ちとせのファースト・アルバムだっていうのが、何だろう、何だかちょっと恥ずかしい。
やはり修理は無理で、破壊して取り出すしかないという。だろうと思っていたし、取り敢えず元ちとせを出して欲しかったので、それで良しとした。でも担当してくれたApple Storeのスタッフはすごくいい奴で、純正のSuper Driveは新品で10,500円だけど、普通にAmazonで売ってるBlue Rayにも対応してるやつの方が断然安いと勧めてくれた。
元ちとせが出てくるのを待ちながらApple StoreのWi-FiでAmazonで外付けBlue Rayドライヴを購入した。5,730円だった。
さて昼飯を喰おう。せっかくなので確認したいことがあった。
5月に、コットン・キャンディ、かき氷、冬は焼き芋でお馴染みの移動販売「スタンド錦」さんの若宮八幡社のお祭りの出店をちょっとだけお手伝いした。その帰り道、その時も適当に歩いて、最終的になぜか伏見の駅から地下鉄に乗って帰ったのだが、途中にゆで太郎があったのだ。食べはしなかったが。
あのゆで太郎の場所を確認しようと思って、現時点で分かり得る土地勘で向かってみた。
かつてSRF明宝のスタッフとして働いていた頃、東別院から栄に移転したRadix Entertainmentの事務所によく通った。あの頃は地下鉄を矢場町で降りて、PARCOの中を通って、Apple Storeのある通り(大津通か)を渡って、更に進んだところに事務所の入ったハイソなビルはあったはずだ。
行ってみたら、あった。
間違いない。このビルだ。
ということはそのすぐ裏に若宮八幡社はあり、その裏側の出口から伸びた道を僕は真っ直ぐ歩いて、その途中にゆで太郎はあったのだ。あの時は夜だったのでよく分かってなかったが、どうやらあれは住吉通りだったみたいだ。
要はApple Storeを出てから大きく迂回して住吉通りに入ったということになる。住吉通りということは以前僕が映画の帰りにヨコイに行った通りだ。名古屋の人からしたら「何を言ってるんだ」ということになるのかも知れないが、僕の脳内のシナプスはピシピシっと繋がっていった。
確信を持って歩き続けること5分、ゆで太郎が出現した。
あの、カッコつけて歩いているロン毛白髪のおじさんの脳内には、幸せホルモン「セロトニン」が大量分泌されているということは誰も気付くまい。
もつ次郎には目もくれず、ミニカツ丼セットを食べた。
さあ、帰り道だ。
今日理解した地理を復習する意味を込めて、中区役所まで戻ることにした。余裕だ。途中、ヨコイの場所も確認しつつ歩き続けた。
そして最後にもうひとつのミッションをこなすことにした。写真をよく見て欲しい。ミニカツ丼の上にあるポップを。そう、新店舗「ゆで太郎中区役所店」の場所を確認することである。
何となく風は涼しいのだが、今日は暖かい。というか歩いていると暑い。もうフリースは脱いでリュックにしまい、ロンTの上にTシャツ重ね着だけの状態で歩いた。
中区役所に到着したので、少し周囲を歩てみる。が、周囲には見当たらない。しょうがないからMAPで確認してみると、、、。それは単に中区役所の地下にあった。ただそれだけのことだった。
無事目的を達したので、途中地下街でジェンク堂書店に寄ったりもしつつ、心置きなく帰ることにした。大きな書店があって良かった、と何のこっちゃ分からんが、そう思った。
家の近くまで歩いてきて、今日は前から気になっていた寄り道ルートを確認してみた。何かあまりひと気のない寺が近くにあるのだが、その中を通ると近道かも知れないと、前々から思ってた寺があるのだ。
大黒様を祀っている感じの寺の本堂横を突っ切ると、やはり、この道に出た。ここを下っていくとウチに続く道の近くに出るのだ。
納得したので良かった。でもあまり近道ではなかった。同じか、ちょっと遠回りぐらいだった。
今日はやたらと遠回りと寄り道の日だった。
でも別に遠回り上等である。それぐらいで丁度いいんじゃないか、これからの僕の時間は。
などと思う。