BIZARRE LOVE RECTANGLE / MARTIN JARL
- Slaskenstam
- BLR (feat. Vewie)
- Granular Bromance
- BLR (feat. Vewie)(Alexander Bogdanov reshape)
- Slaskenstam (Schulz Audio remix)
オランダはハーグを拠点とするダブ・テクノを中心にリリースするレーベル「spclnch」から、この7月にリリースされたばかりの、スウェーデンのクリエイター、マーティン・ヤールの作品。
複数の種類のディレイのかかった、複数のウワモノが交差し醸し出す、フワフワ浮遊する様なスペーシーなサウンドを、正確な4つ打ちのバスドラを基調としたリズムが引っ張っていく。
って、ダブ・テクノってどれ聴いても大体そんな感じか。
このマーチン・ヤールという人に関しては、以前、ロンドンの「Drift Deeper」というレーベルから出ていた [Lost At Sea] という4曲で構成されたEPと、そのセルフ・リミックス作品を聴いたことがあった。これもbandcampで購入したものだ。
その作品における彼の印象は、フロアライクなダンサブルな曲調というより、もうちょっとアンビエントよりな印象を受けた。EPのコンセプトを表現するためなのか、BPMも、50の曲もあれば、130の曲もあり、フロアに合わせるというより、自らの世界観を重視する、作家性の高いアーティストなのかと感じていた。
その彼の名前を「spclnch」のコンピレーションの中に見る様になったのは1年ぐらい前からだろうか。以前と変わってカッチリとしたフロア受けしそうな曲が多く、ずっと注目していたのだ。
彼の作品は、お洒落で透明感に溢れ、カッコいいベース・ラインを聴かせてくれるものが多い。
M1などはまさにそんな感じの1曲。M2はそこに女性の声がネタ的に入ってきて、そのお洒落度は更に増す。M3はある意味王道的なマイナー調の楽曲。だがリズムにディープ・ハウスにも通じる様なハネ感があり、陰鬱な感じはしない。M4はテクノ的なコアさを前面に出したM2のリシェイプ。M5はビートを弱めてアンビエントに寄せた感じのM1のリミックスとなっている。
アートワークの通り、宇宙的なイメージに彩られた作品集。
とは言いつつ、このレーベルはこのところ、ずうぅぅぅーっとこのタッチのイラストでのリリースを続けている。ヒゲにサングラスのおっさんと猫が主人公のそのシリーズの作品もきっと近いうちに紹介することになるだろう。
ま、そこも含めて好きなんだけどね。
https://spclnch.bandcamp.com/album/bizarre-love-rectangle