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なまけ者のさとり方/タデウス・ゴラス

1972年にアメリカのニュー・エイジ/ビートニクス系の思想家で作家のタデウス・ゴラスによって自費出版され、日本では1988年に地湧社という出版社から初版が出版された意識高い系自己啓発本。原題は [The Lazy Man’s Guide To Enlightenment]。

人間の精神的な状態を「スペースの状態」「エネルギーの状態」「かたまりの状態」という3段階で表現し、鬱やバッドな状態から抜け出すために役立つ考え方として記している。のかな?と思う。

「スペースの状態」というのはこの本でいうところの「悟り」に到達した状態なのだが、そのことについての説明を一部抜粋すると、、、

「完全に拡張した生き物は「スペース」、つまり空間状態となります。拡張しているとどこにでも浸透できますから、私達は他の拡張している生き物と同じスペースに存在することが出来ます。実際、宇宙にあるすべてのものが一つのスペースになることも可能なのです。」

というのだが、流石にそれはハードルが高いだろう。

だが、「エネルギーの状態」「かたまりの状態」というのは分かり易い。

「エネルギーの状態」の人は、放つヴァイブレーションが細かく、一緒にいるだけで他者をもポジティヴな気持ちにしてくれる様な存在、とでも言えばいいのか。

「かたまりの状態」の人は、負のヴァイブレーションで周囲にも影響を及ぼしてしまい、ネガティヴな気持ちに引きずり込んでしまう様な存在、かな。

我々はそれらの状態にいることは、実は自分で望んでコントロールしており、その状態から抜け出すのに特別なことは何も必要ではなく、それに気づくだけで良く、その瞬間に脱出出来るのだ、という。

必要なことは、今ある状態の全てを受け入れること。今ある状態の自分をそのまま無条件に愛すること。なのだそうだ。大分かいつまんだ説明だが、「愛こそが全て」なのである。

読んでいると「神の存在」とかいう表現も出てくるので「うーん」となることも多いのだが、かなり良いことも沢山ある。そういう「うーん」と「そうそう」というのが交互に出てくる。最終的にフラットな気持ちで偏見なく読み解けば、かなり良いことを言ってる本だと思う。

使用した写真は実際に僕が所有している現物をスキャンしたものだ。かなり古びている。

おそらく購入したのは90年、91年頃ではないかと思う。丁度大学を卒業して、最初の就職をした頃だと思う。今にして思えば全く何も分かってなかった若造なオレだった。

その当時読んだ時は随分と励まされた気持ちにはなった記憶がある。だから今も後生大事に取ってあるのだと思う。

今回、たまたま本棚の中にあるのが目に付いて、手に取ってみた。薄い本なので2時間もあれば読み切れるし、読むのは今回でもう5~6回目ではないかと思うので、要所要所を再確認する様な感じで読んでみた。1時間半も掛からなかった。

すると忘れていたのだが、無意識に僕はこの本の内容を実践しようとしていることに気付いた。そのことを思い出した。あまり上手くはいってないのだが、、、。

おそらく人によっては途中で読むのを辞めてしまうかも知れないし、読むのにメチャクチャ時間がかかる人もいるだろう。ダメな人にはずっとダメだろうし、10年後にまた手に取った時に妙に腑に落ちたりするのかも知れない。

まだ売ってんのかなと思い、amazonで検索したらすぐヒットした。更に2014年に改訂補充版が再刊行されていて、出版元の地湧社という会社も健在で、今も意識高い系の本を出版していた。

そうなんだ。今だに読む人がいるんだ。

因みにニュー・エイジとはアメリカではヒッピー・カルチャーと非常に親密な関係にあるので、1969年の伝説の野外フェス「ウッドストック」などはその象徴なのだという。スティーヴ・ジョブスなんかも若い頃に相当影響を受けているみたいだ。

日本ではこの分野は今では「スピリチュアル系」みたいな、ちょっとヤバい感じになってるのかも知れない。

なまけ者のさとり方増補改訂新版 [ タデウス・ゴラス ]

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感想(1件)

地湧社サイトURL

http://jiyusha.co.jp/top

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