Episode 2 : これは旅なのか?
秦野赤十字病院を後にしたのが14時半頃。昼メシを食べてないがランチタイム営業は終わった時刻だ。
途中タイ料理屋があった。もしあそこがまだ開いていたら行こう。何て思いつつ歩き続けること15分ぐらい。やっぱ閉まってた。
秦野駅前まで戻り反対側の北口を見てみるが何もないね。秦野ってあんまり来たことないけど何もないね。
休み時間になってない店は「松屋」か「餃子の王将」しかない。しょうがないから王将で天津飯セットを食べた。
天津飯を食べながら時間を見るともう15時半近い。16時までに戻って姉からの連絡待って、母ちゃんの見舞いに行かないと。意外に時間をくってしまった。
タイミングよく電車が来たので、それに乗り、無事16時半過ぎに姉と合流して母ちゃんの見舞いに行った。
母ちゃんは相変わらずの様子で、まだ経口で食事は出来ず、点滴生活を送っていた。この間は眠っていたが今回は起きていたので反応はいい。
姉が「私。法枝。分かる。娘だよ。」「こっちは尚浩。息子。分かる?」などと声をかける。「分かる」と頷くので、僕を指して「じゃあこれは誰?」と尋ねると「オジサン」と答えていた。何だそれ。
姉宅に戻ると、何故かドッと疲れを感じた。何かしようと考え過ぎたかも知れない。明日は何もしない。そう決めて、この夜は太郎と九十九に呑みに行った。
5月24日金曜日。今日は何もしない。寝転がってNetflix見て、本読んで、昼寝でもするか。それでも夕方には再度母ちゃんの見舞いに行こうという話にはなっている。
午前中はゴロゴロしていたが、昼食にMAMA PAPAを再訪し、結局午後はこのブログのために写真をセレクトして、解像度を揃え、色見を調整し、テキストを打ち込んでいたら夕方になってしまった。また間中病院にGo ! だ。
母ちゃんの様子はあまり変わりがないが、帰り際に看護師さんに話を聞いた。
とにかく母ちゃん自身にあまりやる気がないらしい。やる気がないのか、実際出来ないのか。薬を飲むためにも嚥下のトレーニングをしなければいけないのだが、やる気がない。オムツの交換にしても協力的ではない。だから今は回復のためのトレーニングの第一歩にまだ付けてない様な感じらしい。
今回の入院。まだ先が見えない。
土曜日になった。小田原に来てから5日目。ゆっこさんも居ないし、退屈だ。
せめて母ちゃんのケア・マネージャーさんと今日打ち合わせでも出来て、状況を共有出来れば、それなりに後を託せるし、一旦名古屋に戻ることも出来るが、そう上手くスケジュールは合わない。
今夜は姪が帰って来て1泊する予定だ。今回の目的のひとつを果たすことが出来る。
午後はランチがてら小田原の街をブラついてみることにした。
メッチャ観光客多いな。駅前だけだと思うのだが、かなりの人出だ。
とりあえず格安新幹線チケットの値段だけでも確認しておこうかと思ってたのだが、名古屋に比べて全然高い。名古屋で買った値段は7980円だった。
新幹線の格安チケットって即ち回数券のバラ売りなので、7900円が定価のはずだ。池下の金券ショップはそれに80円乗せただけで販売してたのだが、小田原の金券ショプはそれを8300円ぐらいで販売していた。JR東海の定価が8570円なのだから270円しか安くないし、連中は400円も上乗せしていることになる。
名古屋と小田原で差額220円とかの世界ではあるが、何だかな〜っ、て感じだ。
ワザワザ新幹線口まで確認しに行ったのだが、そっちにあったはずの金券ショップはもう無かった。
北条早雲像を見掛けた。
彼は生前その名前で呼ばれたことはない。彼の名前は伊勢新九郎。得度してから宗瑞を名乗った。隠居後は早雲庵とも呼ばれていたが、北条と苗字を改名したのは宗瑞の死後、二代目の氏綱の時代からなのである。
小田原豆知識でした。
しょうがないんで立ち食い蕎麦の「名代箱根そば」でミニ・カツ丼セットを食ったった。
何か冴えないな〜。今回のこれは旅と言えるのか?暇人の日常になってないか?
なので今回のやろうかなリストにも準候補としてあげた小田原最後の銭湯「中島湯」に行ってみることにした。その詳細は「メシとか宿とか風呂とか」コーナーの「風呂」にて紹介しましょう。
帰ると姉が誰かと電話をしていた。間中病院の担当医の先生が、今後の方針をわざわざ電話してくれた様だ。
曰く、「入院以来あまり進展はないけど、来週1週間は引き続き今の方針、嚥下、車椅子の乗り移りのトレーニングを続けます。」とのことだった。
それならそれでいい。なまじ家にいるより病院にいる方が安心である。ならば月曜日に一旦名古屋も帰ろう、ということになった。
6月は、5日に僕自身の定期検診もあるし、地主との直接交渉が実現したら、24日の裁判の前に再度小田原に来る必要も生じるかも知れない。それに奥さんがいないからつまんないし。帰ろ、帰ろ、一旦帰ろ。
そんな方針がやっと決まって、やれやれと思って姉の手料理は3口ぐらい食べたところで、太郎から呑みの誘いが、、、。「ぼちぼち」という店に行こうという。
太郎は最近ではかなりの頻度で行っているらしい。ここも姉ちゃん宅から徒歩1分ぐらいの距離にあるのだ。
前に来たことのある店だった。以前は「華の庄太郎」という名前だったが、同じママさんの経営で名前を変えたみたいだ。ママさんを慕う常連さんたちの多い居心地のいいお店だ。つまみも300円ぐらいからと安く、クラフト・ビールと日本酒に拘りがあり、特に缶のクラフト・ビールは種類が豊富だ。
藤沢、茅ヶ崎から大磯、二宮と流れが西に進んできて、ここ数年、小田原にも移住者が急増している様だ。ここ「ぼちぼち」はそういった移住者さんにとっても居心地のいいお店なのだそうだ。
湘南カルチャー的なものも移住者さんたちが作ってきたという部分も大きいと思う。小田原の保守的な考え方も、移住者の新しい発想でブッ壊して欲しいもんだ。
いい感じに呑んでいると小田原名物鳥の半身の唐揚げの「鶏の三平」のマスター郷さんが呑みに来た。いろんな人とも出会えたし、楽しく呑めた。
そんな感じに夜は更けて行ったのであった。