旅モロ東海道本線各駅停車の旅

Episode 1 : 往路。

さて、、、。

そんな感じで各駅停車の旅をやる気満々だった出発予定日の前日、僕のiPhoneが鳴った。

発信元は「小林病院」。嫌な予感がする。

案の定、転院に向けての簡単な検査を受けていた母ちゃんだったのだが、軽い心筋梗塞を併発していることが発覚したとのこと。

見た目の症状としてはあまり変わりはないのだが、大事を取って、もう1週間程度を目安に、小林病院での入院を延長するとの連絡だった。

そら、そうだ。その方がいいだろ。

少しの間、思考が話の内容に追いつかなかった。

そもそも今回の出発のタイミングは僕的には速すぎる感はあった。明日は水曜日。出来れば週明け月曜日ぐらいに出発がベストのタイミングだったのだ。

だから「ああ、そうか。遅らせればいいか、、、。良かった、、、。のかな?」と最初は思った。

でもよく考えたら、誤嚥性肺炎起こしかけて、嚥下が上手く出来なくなり、最終手段として胃ろうの手術をした母ちゃんが、軽いとはいえ、今、心筋梗塞を起こしていると言う。

何も起きない様な気もするが、何か起きてもおかしくない。

やはり明日出発することにしたのだった。

翌朝。

6時に起床して、最終的なパック・アップを済ませ、ちょっと早いかもと思いつつも7時半にゆっこさんに地下鉄覚王山の駅まで車で送ってもらった。

名古屋駅からJRに乗るのも始めてだし、青春18切符を買うのも初めてである。何事も余裕を持って行動しよう。

などと思っていたのだが、全然早く着いてしまって、青春18切符の購入もすぐ済んで、振り向けばJR線改札が真ん前にあった。

当初9時1分の快速豊橋行きに乗るつもりだったが、結局8時10分の各駅停車の豊橋行きに乗り込んだのであった。

変な笑顔。やっぱ笑顔は苦手だ。

最初の目的地は豊橋。この電車の終点である。

どうやら東海道本線は、名古屋/豊橋、豊橋/浜松、浜松/熱海、熱海/東京、といった感じで運行されているようだ。

豊橋は乗り継ぎだけではなく、目的がある。

お稲荷さんの名店「壺屋」の立ち食いスタンドに寄るのだ。

電車に揺られること1時間40分ぐらい。程なく豊橋に到着した。快速やめて各駅にして早く出発したので、ほぼ当初の予定通りに進行している。

ハイ。豊橋ー!
こいつが出迎えてくれた。

冷房の効いた車内から出るとムッと暑い。

滞在時間は25分。壺屋はどこか。

200mぐらい移動して観光案内所で聞いてみると反対方向にあるという。反対方向に400mぐらい進むことになった。

で、ありました。壺屋豊橋駅店。食べました。きしめんといなり寿司1個。詳しくは「メシ」コーナーで。

壺屋食って最初の乗り継ぎなのだが、出発まであと10分。だが、トイレに行っておきたい。

焦らず急がず行動して、無事、浜松行きに乗車することが出来た。

再び電車に揺られること約40分。浜松で乗り継ぎだ。

次の目的地は掛川。そう、掛川花鳥園に行くのだ。

掛川花鳥園は我々夫婦の間でも何度か行きたい場所として上がっていた案件だ。

新東名で小田原/名古屋を車移動する時も、掛川で休憩する確率はかなり高く、何となく馴染みに感じている街でもある。

ゆっこさん不在で1人で行くのは少々心苦しいが、これもタイミングとガイダンス。フクロウとハシビロコウが僕を呼んでいる。

更に30分ほど移動して、掛川に到着したのは11時半頃だった。

はい来ました。
誰も居ません。

コインロッカーに荷物を預け、身軽になって駅舎の外に出ると、暑い。時刻は炎昼だ。

だが歩いて行くのだ。道のりは800mと出ている。10分ぐらいだ。見知らぬ街を歩くのだ。

歩き始めてすぐ思ったのだが、街の感じが秦野駅の南口ぐらいの感じだ。誰もいない。マジか!新幹線停まる駅だよね〜?

何かメチャクチャ、ストレンジャーになった気分で歩くこと10分弱。無事掛川花鳥園に到着した。

掛川花鳥園に関してはあまりにも沢山写真を撮ってしまい、感想もそれなりに多くあるので、この部分は別項目に致します。悪しからず。

こういう奴らがいっぱい居ました。
こう言うのとかね。

1時間40分ぐらい花鳥園には滞在した。結局、オジサン1人で楽しんでしまったよ。オジサン1人で来てる人はもちろん僕だけだったけどね。

14時36分発の熱海行きに乗車した。今回の行程で最も長い1時間50分ぐらいの道行だ。

ここまでで既に名古屋で列車に乗ってから6時間ぐらいが経過しているが、小刻みに寄り道しているのでさほど長くは感じていない。

ただ何となく落ち着かない。

落ち着いて本を読もうという気にならない。新幹線なんかだと、かなり読書に没入出来るのだが、初めての経験だし、あまりそうは行かないみたいだ。

ここまで4回乗り換えたが、どの車両も僕の知っている東海道線のカラーリングと違うし、車内の感じも全然違う。鉄オタとかは当然そういう事を知ってるんだろうな、などと思う。

別に羨ましくはないが。

時刻も16時を過ぎて来ると、ガラガラだった電車も学生ぐらいの年代の若者が増えてきた。夏休みとはいえ、部活や夏期講習、ゼミなどがあるのだろう。

そんなこんなしているうちに三島に到着した。三島では桃中軒っていう立ち食い蕎麦屋で三島コロッケそばを食うんじゃ!

もう結構親近感の湧くとこまで来たぜ!
で、その桃中軒何ですが、、、。

ホームに降り立ち、「三島」の看板を撮影して、視線を下ろした先にいきなり在ったのが、お休みのシャッターを下ろした桃中軒だった。

マジか、、、。何それ、、、。本気か、、、。

とりあえず他の場所にある可能性を探って駅構内をウロウロしてみるが、ない。

改札を出て辺りを見回す。土産物屋に「三島コロッケ」の幟も見える。でもそれ食ってもなあ〜。

伊豆箱根鉄道の入り口付近に何かあると思ったら、ラーメン、焼き鳥の一杯呑み屋だった。

こうなったらもうあそこで一杯呑んじまうか、なんて思ったところで、改札出てすぐのところに「爽亭」っていう別の立ち食い蕎麦屋を発見したのだった。

さっき見落としていたのだ。

何か画期的な感じがしなくもない。
ありがとう。在ってくれて。

コロッケそばに関しても詳細も「メシ」コーナーで。

無事コロッケそばを食べて再び列車に乗り込んだ。

次の乗り換えは函南をひと駅挟んで、いよいよ熱海。時刻はそろそろ17時だ。

「次は終点、熱海。熱海。」なんていうアナウンスを聞いていると車窓にはデデーンと海が開けた。

初島が見えてきた。オレの家も近い。

熱海のホームでようやく僕にとってお馴染みのオレンジとグリーンのラインの東海道線の車両が待っていた。

こいつはここから東京上野ラインに乗り入れて、埼玉県熊谷市の籠原まで行くのだ。

湯河原。真鶴。根府川と列車は進む。

根府川超えて早川までは東海道線の中で最も海に近いところを走っていることを実感した。

今まで何度も見てきた光景だが、少し感動した。

ふえ〜。着いたぜ。
小田原ステーションだぜ。

そして17時28分、ファイナリー、小田原駅に到着した。最初に立てた計画より30分ぐらい巻での到着だ。

名古屋を出発して9時間18分。流石に9時間は長いと思うが、達成感はある。

今回は滞在が長いのでそれなりに荷物も多く、DJコントローラーなども入っていてリュックも重かった。もっと身軽に動ければいいとは思う。

青春18切符、中々、良かったな。

あと4回使えるわけだが、そのうちの1回はこの旅の帰路に使うことは間違いない。

小田原にいる間に帰りはどうするか、考えてみることにしよう。

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