旅モロ東海道本線各駅停車の旅

Episode 2 : 掛川花鳥園

鳥は現代にまで生き残った恐竜なのだという。

恐竜の子孫とかではなく、実はあれが恐竜なのだ。

足を見てみれば分かるだろう。奴らはそういう足をしている。

20数年前、レゲエのレコード店をやっていた頃、キングストン、ミューヨークに年に6回ぐらい買い付けに行ってた時があった。

そんな旅の中で、よくNYのセントラル・パークで鳩にフライドポテトをくれてやったりしてたのだが、ポテトを放ると丸呑みにするその姿を見て、あの時に思った。

「こいつら恐竜じゃねえか」と。

鳥だと思ってたけど、あの何の感情も持たない目、首を振る動き、ポテトを飲み込む時の喉の動き、そして鋭い爪の付いた足、まるで爬虫類みたいだと思った。

カラスの方がまだ感情を感じられる。

平和の象徴などと言うが、鳩の方がクレイジーな存在に思えた。特にNYの奴らはね。

でも猛禽類は違う。

フクロウとかは猫とか犬ぐらいに賢いんじゃないかと僕は思っている。

だから鳥類の中にも、めちゃくちゃ恐竜に近い種族と、哺乳類に近い方向に進化した種族がいるのだろう。

ここ掛川花鳥園にいるハシビロコウのフタバは、その中間みたいな存在だ。

彼か彼女か分からないフタバなのだが、恐竜の様なルックスに、知性を感じさせる瞳が備わっている。不思議な鳥だ。

フタバやフクロウくんたちが見たくて、掛川で途中下車して、炎天下の中、掛川花鳥園に向かったのであった。

これが掛川花鳥園のメイン・エントランスだ。

到着した花鳥園のエントランスは、やや昭和な感じがして、僕がホームページで見ていた様な印象とは違っていた。

早い話がショボく感じたのだ。

「やっちまったか、これは!ショボいのか、ここは!」少しだけ不安が過ぎる。

入ってすぐがフクロウたちが展示されているスペースだった。かなりの種類のフクロウたちが飼育されていた。

オウルズの皆さん。

想像だが最初はここしか無かったのかも知れない。このフクロウ舎だけ、建物がやや古く感じられた。

それが僕に最初の印象でショボい施設なのかと思わせたのだ。

だが、オウルズを見てそんな気分は払拭され、一気にテンションは上がった。

フクロウ!フクロウ!フクロウ!フクロウ!

1羽だけワライカワセミが居た。あれはフクロウではないだろう。

正面がガラスなのはいいが、光が反射してしまう。金網越しよりマシなのかも知れないが。

フクロウ棟を出るとグッズ売り場があり、そこを抜けると一旦外に出て、オシドリの池やペンギンのプールがあった。

今日はペンギンはいいや。

次の扉の向こうには花に飾られた広大な温室が食事/休憩スペースになっていた。

「う〜ん。そんなのもどうでもいい。」と思いながら突き進む。

綺麗ですよ。
でもどうでもいい。メシなんて食わねえし。

次の扉を開けた瞬間、「ああ、今日ここに来て良かった。間違いなかった。」と思えた。

変な奴がいきなりちょこちょこ歩いていたからだ。

何だお前〜っ!!
お前の嘴も何だ〜!!
お前もな〜っ!!

変な鳥がイッパイいる水辺のエリアがあり、餌を買って与えることが出来るのだ。触ろうと思えば奴らに触ることも可能だ。逃げるけどね。

次の間は変な鳥がイッパイいる砂場のエリアだった。ちっちゃめの孔雀が羽を地面に擦り付けていた。

何してんだよっ!!
お前らも変な鳥だな〜っ!!
結構広いのだ。
睡蓮花 by 湘南乃風。

そして子供が乗れそうなオオオニバスの池を過ぎると、、、。

居ました。ハシビロコウくんが。

やっぱ実物は凄かった。

デカい。立ち姿は1m30cmぐらいはあったかな。
翼を広げるサービス。
じっとこちらを見ている。
作り物じゃないから。ロボットでもない。
いつもより笑っております。

何時間でもじっとしている石像の様な鳥と聞いていたが、結構動いていた。

動くどころか翼を広げ、飛んでみせてくれた。

あんまり人間に見られていたら、じっともしてられないか。

ペリカン目ハシビロコウ科ハシビロコウ属らしいが、とてもペリカンには思えない。意思を持った眼をしている。

あの頭蓋骨はシェパードぐらいあるんじゃないか。結構大きな脳味噌が詰まってそうだ。

全く見飽きない。30分以上はここに居た。

いつもはぎこちない僕の自撮りの笑顔も、本当に嬉しいからか、ご覧の通り、少しはマシになっている。

時刻を確認すると12時45分。ここに着いたのが12時ぐらい。あと残されたミッションはフクロウと一緒に写真を撮るのみだ。

13時からバード・ショウが20分程度あり、その後に撮影会だ。300円払えば撮ってもらえるのだ。

しょうがないからバード・ショウを最前列で見て、その時を待つことにした。

彼の名前はヒマリ。2キロぐらいはある。
親近感が湧くのは何故だろう。
見つめ合って通じ合っていたあの時。

その時が来たら大人気なくサッと並んで一番で撮ってもらおうと思っていたが、カップルに先を越され2番目になってしまった。

だが、長年の念願叶ってフクロウを手に乗せたのだった。

彼はユーラシアワシミミズクのヒマリ。オスである。

彼ら鳥にとっても、毎日決まった時間になると連れ出されて、変わる替わるの人間の手に留まって写真を撮られるのもストレスだろうと思う。

それが出来るヒマリくんはきっと優秀なフクロウなのだ。

最後に触らせてもらった。毛並みのいい猫を撫でている様な感触だった。

写真を撮ってくれた花鳥園のスタッフの女の子には気付かれない様にしていたが、かなり興奮していた。

「おおおおおお」ぐらいのことを頭の中では思っていたのだった。

もう一度だけハシビロコウを見に戻り、その姿を瞼に焼き付け、13時40分、掛川花鳥園を後にした。

滞在時間1時間40分。まあ、こんなもんだろう。

各駅停車の旅を続けるためにJR掛川駅へと戻って行ったのであった。

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