Episode 6 : 最終話、旅の終わり。
「モロさんの布団には絶対に入ってこないでね」と言って寝たのに、ドカっとマルちゃんが転がり込んで来た。
この数年、僕は寝返りを打たないと全然眠れないのだ。「イビキがうるさいから横向いて寝ろ!」とゆっこさんに言われて以来、そうなった。
これでは寝返りを打てない。だけど隣で僕の猪木のTシャツを着てスースー寝ているマルちゃんを動かすことは出来なかった。
翌日。8月4日、日曜日。
ウチの姉は徒歩5分ぐらいのところでコインランドリーを経営していて、朝7時、夜10時の店の開け閉めが毎日のルーティンになっている。
先に目覚めていたコっちゃんは、姉と一緒にそのコインランドリーの開店に付いて行って、ネルネルネルネ的なものを買ってもらって帰って来た。
みんなでピザパンを食べて、昨夜以来マルちゃんがハマっているアニメ「サマータイム・レンダ」の続きを見続けているうちに、正午頃、カズナが迎えに来た。
今日は今日で太郎のイベントがHAYAKAWA39CBDではブックされているのだ。僕がフライヤーをデザインした奴だ。
「茂呂さん、何時に行きますか?」と聞かれ、「う〜ん、2時ぐらいかな」などと言ってたら、「2時なら一緒に行ってウチで休んでから行けばいいじゃないですか。」との提案に、「う〜ん、じゃあ、そうすっか」という流れになった。
そんな感じでこの旅の最後の宴の始まりだ。
早川の高台にある眺望が最高ーっなケイシロウ宅で、豚タンとか砂肝とか手羽先とか食べてから店に降った。
何だかもう、子供達とたっぷり夏休みを満喫している。こんな風になるとは予想していなかった。
店に降りると、国道135号線を挟んで目の前には、テトラポッドに囲まれた、海遊びのできるシークレット・スポット的な場所がある。
子供達はすぐさま海に行くという。
道路をどうしても斜め横断しないといけないので、危ないのでコっちゃんの手を引いて僕も道路を渡った。
あまり寝ていなかった僕は、丁度いい感じの石に背もたれて眠ってしまった。
すこぶる気持ちのいい睡眠であった。日陰であったのだが、この時に少し日焼けをした様だ。
店に戻ってしばらく呑んで、いろんな奴と話をして、19時頃にマジマンが車で帰ると言うので送ってもらった。
グッバイ、小田原の夏休み。楽しんだぜ。まあ、そもそも僕はいつでも休みではあるんだけどね、、、、。
8月5日、月曜日。
今日はまた各駅停車の旅だ。
朝、姉ちゃんと非常事態発生時の連絡取り合いを確認し、姉宅1階に設置した臨時の寝床スペースを片付けて、10時43分の熱海行きに乗り込んだ。
この先は、熱海で11時14分浜松行きに乗り換え、13時43分着で浜松で昼食休憩。
その後は寄り道せずに豊橋まで行き、最終的に名古屋へGO ! だ。
帰りの車中はそれなりに読書にも集中出来た。今読んでいるのは冨樫倫太郎の北条サーガ最新刊「北条氏康第4巻〜関東争乱編」だ。
浜松では「Episode 0」で触れた「自笑亭」という立ち食い蕎麦屋に寄ることが出来た。これでプラン、コンプリートだ。それにしても「自笑亭」っていう名前もどういう意味が込められているのだろう。
と、それだけ思っただけで、別にそれについて検索などするつもりはない。
14時6分の浜松発に乗り込んで、14時40分に豊橋着。
豊橋からは14時50分発の新快速に乗ったので早い。
15時38分に金山に到着して15時40分でJR中央線に乗り換え、千種へ。
そこからは地下的東山線で覚王山だ。
覚王山の駅のエレベーター付近にゆっこさんが迎えに来てくれていた。
長かった様で、あっと言う間でもあった今回の小田原。
次回でひとつの区切りだ。
小田原は故郷だし、仲間も沢山いるし、そりゃ行きたい場所のひとつであることは、これからも変わらないだろう。
でもこれから目指すのは、全く違う場所、全く違う旅だ。
楽しみしかない。