小田原へ早速帰郷の旅旅モロ

Episode 2: 栄町の夜と下曽我の昼

18時にスーパー銭湯「コロナの湯」を出て、19時に意気揚々と今夜の待ち合わせの店「鶏の三平」に向かった。

今夜のメンツは、WebプロデューサーでレゲエDee Jayのマジマン、IT系のEコマースの仕事を渡り鳥の様にやっていてレゲエ・サウンドBRAIN BUSTERの後継者タロウ、それとCDBショップ&DJバー経営でレゲエ・サウンドNEW LIGHTのケイシロウ。あ〜んど、僕と奥さん、といったメンバー。ま、昔からのメンバーだ。

半身の唐揚げで超有名な鶏の三平は唐揚げグランプリ金賞の店だ。

日本全国でいろんな店が唐揚げグランプリの店を名乗り過ぎてるから、唐揚げグランプリって嘘なんじゃねえか、とか、モンド・セレクション金賞ぐらい信頼性が低いんじゃねえの、とか思いがちだが(思いがちかな?)、三平は違う。三平は本物なのだ。

僕は三平には20歳ぐらいの頃、今から40年ぐらい前に、先代の親父さんの時代から行ったことがある。「若いモンは食え」と、半身の唐揚げプラス山盛りキャベツと大盛りご飯を半強制的にワシワシと食べさせる店として有名だった。

でも本格的に三平に通う様になったのは、今の社長、先代の娘さんの旦那さんである郷さんが跡を継いでからだ。25年前ぐらいだろうか。

当時の三平は県道255号線沿いの成田という場所にあって、酒飲みの僕らは代行運転か、飲まない運転手を確保するしかなかったが、それでも頻繁に通わせてもらった。半身の唐揚げはすこぶる美味いし、全席座敷の店内には常にレゲエが流れていて、サーファーである郷さんの趣味が活かされたインテリアが素敵な店だったのだ。閉店間際で他のお客さんが捌けてからは、一緒に呑んだりもしたものだった。

そんなある時、いつも自然体の郷さんから爆弾発言が。

「唐揚げグランプリの金賞獲っちゃったよ!」

どうやら覆面調査員というか(実際は覆面なんてしてるはずないが)、そういう人たちが密かに来店して調査していたらしいのだ。

とにかくその後の三平は飛ぶ鳥を落として唐揚げにする勢いというか、小田原駅前に進出して大人気店として定着し、今では平塚にテイクアウト専門店、東名高速海老名SA店、更に沖縄にフランチャイズ店と展開しているのである。

あるんですねぇ本物の「唐揚げグランプリ」。疑ってすいません。ていうか、この三平さんの受賞以降、いろんなところで軽々しく唐揚げグランプリってワードが言われる様になったと思うので、最近のやつは嘘かもな。チェーン店のやつとか怪しいだろ、明らかに。

三平 小田原本店の外観

いつものようにホッピーで乾杯し、あれやこれや頼んで喰らう。呑む。呑む。呑む。残念ながら郷さんは不在だったが、帰ってきた時は知り合いの店に顔を出しておきたい。

チキンボール、砂肝の唐揚げ、鳥刺し。
これが通称「まる」。半身の唐揚げだ。
なんでアロハみたいになってんのかなあ。
ごちそうさまでした。

散々食べて呑んで、次に行こう、ということになった。

次に行った店は80年代90年代ソウル・ミュージックが流れるバー「SHALAMER」。ここも昔からよく行く店だ。

いい感じの階段を登っていくのだ。
カウンターの向こうにいるのがマスターの石川くんだ。

ていうかここではレギュラーのDJイベントをやらせてもらっていた。HELLRAIERという名義で。タイトルは [Break On Through To The Other SIde] 。反対側まで突き抜けちゃいなよ、という意味だ。ご存知の方もおられるかと思うが、THE DOORSの曲のタイトルである。めっちゃ自由にやらせてもらってました。

ただこれが作りたかっただけ、というデザイン。
マカロニ・ウェスタンものも多く作りました。

そんなホームな店で軽く2〜3杯引っかけ、連中とは解散し、今日のところはこんなもんかと、今回の滞在先である姉の家方面へと、僕と奥さんは向かったのだった、

が、その道すがらにあるお店が、奥さんの小田原における行きつけのバー「E. GEE」である。時刻は25時ぐらいかな。

明らかにいいBARって感じのドア。
こんな時間は白ワインをオレンジジュースで割るでしょ。

彼女が寄っていくというのでここでもまた1杯頂いた。

有名なお店なので、もちろん僕も知っているが、小田原在住12年間に渡って、彼女はこの店にはひとりで来ていた。特に理由はないだろうから、僕もこれまでその世界観を尊重し、介入することは避けてきていた。

ただこの夜は彼女の方から寄って行こうということだった。そんな夜もいいじゃないか。マスターも僕に感じのいい敬意を示して下さっている。そんな心地いい余韻を残して、今度こそ家路についた。はずだった。

はずだったのだが、姉の家まであと10mぐらいの地点で、ご機嫌な奥さんは更に1軒、全く知らないカラオケ・スナックに入って行ってしまった。

少々ボラれて今度こそ就寝したのであった。

何だこの店よお!名前も覚えとらん。


翌日。7月30日、日曜日。

この日はマサヒロ&サッちゃん夫妻と彼らの家で、炭火で、鮎やら豚ホルモンなど炙ってのんびりしよう。ということになっていた。

マサヒロの家は下曽我。梅林が有名なエリアだ。JR御殿場線が通っているが、1時間に1本ぐらいしかないで有名である。

呑むことは確定しているので、車では行けない。申し訳ないが行きは、滞在先の姉の家まで迎えにきてもらった。姉の家は小田原駅の近くだ。

マサヒロだ。彼の家には素敵なお庭があるのだ。

予測は出来たことではあったが、僕は若干の二日酔いだった。でも僕の二日酔いは、文字通りまだ酔っ払っていて陽気なのだが、次第にそれが冷めていき、大人しくなる。というパターンだ。ゲロゲロ吐いて、気持ち悪さでのたうち回る、ということはない。

時刻はまだ12時前。真夏の快晴の空は暑いが、ゆっくりゆっくりのんびり過ごそう。

写真を全く撮ってないが、マサヒロが何か食べたいものはないかと事前に聞いてくれてたので豚のホルモンをリクエストしていた。

豚のホルモンも小田原はよく食べる地域だ。シロ、ハツ、カシラ、この辺はレギュラーだが、残念ながら名古屋ではあまりポピュラーではない。蕎麦と同じく、少し名古屋では縁遠くなってしまうかも知れない食べ物だ。

その代わり岐阜県が近い愛知県は鮎などの川魚が美味しい。香りが違う。

鮎とか小田原のあたりでは河口付近で交尾産卵を終えたヤツをとっ捕まえて、フライにしてソースかけて喰っちゃう、みたいな感じだろ(違いますかね?)。鮎とは泥臭いみたいなイメージが少なからずあった。

だけど上流に棲む鮎は全く違う。俗に言う「スイカの香りがする」ってやつだ。

かつて僕とマサヒロは、岐阜県の明宝スキー場と言う場所で開催されていたレゲエ・フェスのスタッフとして働いていたことがあり、1週間泊まり込みで運営に当たっていた。その時に岐阜の鮎の美味しさを知った。いろいろあるもんだね、世の中。

鮎くんたち。これは名古屋から持ってきた。鮎は名古屋の方がうまい。

チビチビ迎え酒をしていたら調子が良くなってきたので、トシに電話をしてみることにした。秦野のカフェで細君とランチを食べているところだったらしい彼だが、食後にこちらに来るという。それもまたいい。

マサヒロもトシも、昔からのレゲエ・サウンド・クルーとしての仲間である。30年からの付き合いだ。若い頃の僕はかなり横暴な人間だったと思うし、これまで実際いろんなことがあったが、今こうして一緒に飯を食えてることがいい。小田原を去ってまだ1ヶ月も経っていないのだが、帰ってくればすぐに会える。そのことが持つ意味はこれまでとは少し違う。

マサヒロ邸のメダカ池で遊ぶワイフ。
その横で赤ら顔で横たわって自撮りするワシ
そんなワシに寄り添ってくるマサヒロの愛犬イネさん。

ようやく若干日差しが弱くなってきた様に感じ始めてきた17時過ぎ。御殿場線の下曽我駅までトシと奥さんと僕で歩いて帰ることにした。トシは御殿場方面、僕たちは国府津方面。夏の休日感あふれる夕方をそれぞれ帰路についた。

金曜日に戻ってきて、土、日、と遊んだけど、明日からは家の片付けだ。

旅はまだEpisoden3に続くのであった。

トシ、ニッコニコだな。
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