Episode 4 : 山原レゲエ祭 青空 & 星空ディスコ。Day 4
10月20日、日曜日。沖縄旅4日目。
林くんたち横浜チームと合流して、居酒屋行って、買い物して、宿呑みして、迎えた翌朝。
それでも昨夜は我々夫婦は比較的早くに寝た。23時頃だろうか。
皆さんはよく分からないが結構遅くまで盛り上がっていたが、、、。
だってもう限界である、僕は。ホント最近は疲れやすいのだ。もう寝ておかないと持たない。
この旅中、最もぐっすり寝て、目覚めた。正確には寝てたのだが、起こされた。
川瀬くんにだ。
「あんた、ちゃんと寝たの?」みたいな勢いで川瀬くんが一番最初に早起きして、まず見てもいないのにテレビを付ける。
リビングは吹き抜けなので、その音声は建物中に響いている。
更に何故か掃除機を掛ける。
普通に考えたら嫌がらせだ。
「な〜にしてんのかな〜」みたいな感じで皆が起きてきたが、まあ、いいか。よく寝れた。
さて、まずここで、今回の旅の全体像を示しておこう。
まず那覇と、2日目に慰霊に巡った南部の位置関係、更にメインで遊んだエリア、中部の名護、本部、といったエリアの距離感はこんな感じだ。
そしてこれが我々が遊んだエリア、山原国立公園に含まれる本部半島だ。
最大幅横に19キロ、縦に17キロぐらいの範囲である。
この地図にはまだ行ってない場所、コレから始まる出来事も載っているのだが、まあ、いいか。気になったらここに戻って確認するのもいいかもか知れない。
ここからの2泊3日。こういった場所を巡る旅が始まるのだ。
まず朝飯なのだが、これは昨夜買っておいた食材がある。
川瀬くんとアニキ藤田さんは何やらもう食べている。この2人はとにかく吸い込みがいい。「食品ロス、ゼロ」を具現化した様な存在だ。
僕も一杯ごとに個包装された珈琲を淹れて、コンビニのチーズ・バーガーとか食べた。朝からチーズ・バーガーなんて、普段ならあり得ない感じの朝食だ。
でも何だか分からないが格別に美味い。楽しい気分がそうさせているのは間違いないだろう。
ボヤ〜っとした時間を過ごしながら、次の行動予定を考える。
こういう午前中の時間帯には、ゆっこさんは、地元のスーパーや食料品店さんに行きたい、という希望を出していた。
「いいじゃん、いいじゃん。ソレ行こうよ。」的な感じで智がリサーチし、電話で営業しているかを確認。
何はともあれ、半島北部の今帰仁方面に向かい、帰りがけに、僕の提案の「仲宗根青果」さんに寄ってみることになった。一昨日、那覇の民謡ライヴ「まさかやぁ〜」で出会ったお父さんの果物屋さんだ。
まだまだおネムさんのタマちゃんとアリスさんはお留守番。
昼食のお惣菜を買ってくるよ〜ということで、6人で出発した。
車でちょっと走るともう今帰仁村に突入する。マップ上では距離がある様に見えるが、全然近いのだ。
実はこの午前中に行った売店だけは、全く写真を撮るのを忘れていたし、場所も実は不正確なんです。大体あの辺かな、みたいな。すいません。
とか何とかい言いながら、お店に到着。皆それぞれに食料品を補給。
僕はまた天ぷらとポーク玉子のおにぎりを購入。地元の製パン・メーカー「オキコパン」の「うずまきパン」は買ってすぐ食べた。渦巻き状のカステラにホイップクリームがたっぷりで更にザラメがまぶしてあり、それがジャリジャリとアクセントになる菓子パンだ。
この旅では那覇で、同じくオキコパンの「ゼブラパン」を買った。それは最終的にお義母さんのお土産にもした。
皆が買い物を終えて車に戻ると智が地図アプリを見て、「この脇を入って行けばすぐ海みたいです。」との報告。
じゃあ行ってみよう!ということにすぐなる。サーファーだから海はいつでも見たいのだ。
割と車幅スレスレの道を通って抜けると、小さな綺麗なビーチがあった。観光スポットでも何でもない場所だが、周囲は全て珊瑚礁なのだろう。遠く沖合で波が割れている。
浜辺を散策しながら歩くうちにゆっこさんは可愛らしい珊瑚を発見。受け皿と飾りのペアみたいになっていて、本人は拾って大満足。会心の笑顔をしている。
予想外の風景に出会って、全員満足。めっちゃニコニコ顔になっている。
そして宿舎方面に向かって南下。仲宗根青果さんに行ってみる。
那覇の民謡ライヴ・ハウス「まさかやぁ〜」で、同じ席になったお父さんの店だ。お父さんと言いつつ、多分僕と年齢は変わらないと思うが。
店には出てないと本人も言っていたし、今は季節柄、あまり果物の種類がないとは聞いていたが、この旅の「縁」を少しでも強めたくて、行ってみたかったのだ。
するとメチャクチャ雰囲気のある外観で、本当に果物専門店だった。行ってみて非常に良かったと思った。
シークァーサーはもう季節では無いとのことだったが、他の種類の柑橘類とパイナップルを購入。他の種類の柑橘類といっても見た目はシークァーサーみたいなもんだった。
レジ担当のおそらく娘さんに「この間、那覇の民謡ライヴでここのお父さんとそのお姉さんと一緒になったんで来てみました。」と告げると、少し驚いて、そして喜んでもらえた。
僕「このヒュンヒュンヒュンヒュンいう虫は何ですか?」
娘さん「これは蝉ですよ。」
全員「セーミー!!」
結構大きいらしい。
実物を見た訳ではないが、ひとつの疑問に解答を得た。
ここら辺で一旦切り上げて、ベースキャンプに戻ることにした。
午後のミッションはまず、還暦企画「アリスさんの絶景でドレスで記念撮影」だ。
事前のグループLINEでアリスさんは「どこかで記念撮影行ってもいい?」と企画を上げていたのだ。
どこに行こうか、と場所を考える。
コーディネイター智のプランでは、橋で繋がっている離島「古宇利島」の、ハートの形をして渚から突き出している「ハート・ロック」と言う岩がある有名なスポットがあるので、そこがいいのではないか、ということになった。
会議しながら、アニキ藤田さんが生海ぶどう3パックをズルズルとワンコそばの様に連続で食べていた。
その後、今回の旅のメイン・イベントの山原レゲエ祭に行くのだが、撮影にはゆっこさんとタマちゃんは行かず、お風呂に入って準備して待っているという。
なので撮影行って、1回会場を下見して、ベース・キャンプに戻って、8人揃ってフェスに乗り込む、という段取りになった。
古宇利島は本部半島の北東方向に位置する周囲7.9キロほどの、珊瑚礁に囲まれた小さな島で、スキューバ・ダイビングやシュノーケリングなどで人気の島だ。
今から我々が向かう、波にハートの形状に侵食された岩が絶妙なバランスで渚に屹立している通称「ハート・ロック」があることから「恋人の島」とも呼ばれているらしい。
ベース・キャンプから車で30分ぐらいだ。
その車中で川瀬くんにストーリーが生まれた。
電話で羽田空港の忘れ物センターに問い合わせていた川瀬くんであったのだが、最初のコールで、、、、
「はいそうです。クイックシルバーっていうブランドのロゴ・マークの入った。ブルーの。はい。はい、、、、。」
「えっ!ないっ!」
何とまさかの「ありませんでした」の回答を喰らう。
全員「んな訳ねーだろ!」とツッコミを入れる中、最終保安ゲート、即ち、川瀬くんがスマホを回収し忘れたその現場に繋がる電話番号を教えてもらっていたのだが、何と山の中過ぎて電波が途切れてしまった。
不吉過ぎる。
だが間一髪、アニキのアシストもあり、電話番号は聞き取れていたようだ。
そしてその番号にコール、、、。その結果、、、、。
「はいそうです。クイックシルバーっていうブランドのロゴ・マークの入った。ブルーの。はい。はい、、、、。」
「えっ!あった?ありました!ありがとうございます!」
車内が歓喜に包まれたことは言うまでもない。
実は昨日の空港出発の時以来ずっとバッドだった川瀬くんの心が解放された瞬間だった。
帰りの羽田で荷物受け取りの場所で係員に、もらった番号を言えば渡してくれるのだという。
良かったね〜。
これ以降、川瀬くんの声は1オクターブ上がっていた。
今帰仁村周辺の亜熱帯ジャングルみたいな山を走る。
川瀬くんもご機嫌である。
途中、景色のいい橋の袂で車を止めて、絶景を満喫。写真など撮る。智はもしかして1人でロケハン的なことをして絶景ポイントを押さえてくれたのだろうか?
出来る男である。
更にしばらく走ると古宇利島へのアプローチとなる海中道路に近付いてきた。
海に掛かる橋を渡る。
橋を渡り切り、更に島を周回する道を時計回りに半周。程なく目的地「ハート・ロック」に到着した。
ちょっとした坂で、更に砂がジャリジャリしてて若干滑る。
数年前から原因不明の腰痛でダブル松葉杖生活の川瀬くんはここで断念。下まで降りるのは危険過ぎる。残念だが車に戻って待機だ。
そして更にここを下ると、、、。
こいつらが突き出ているのであった。
アリスさん企画とは「還暦を記念して、どこか沖縄らしい風景をバックに真っ赤なドレスで写真を撮りたい」というものだった。
それを僕も自分の事として捉え、僕にとっても還暦のイベントにしよう。特に自分では何もやってなかったし、それも良いのではないかと思っていたのだ。
それがいよいよ実行の時だ。
アリスさんは男しかいない気の利かない現場で、全然隠れていないのに、1人必死に着替えを決行。でも丸見えだ!
現場はとにかく有名な映えスポットなので、観光客、特にここでは女子高生みたいな子たちが大挙して来ていて、どうしても写り込んでしまう。
そこは流石、オヤビン林くんが「はいちょっとどいて〜!ちょっと今から撮影しま〜す。どいて〜。」みたいな感じで女子高生を散らす。
「今から撮影します」ってそりゃみんな一緒だよ、みたいに不服そうな彼女らを尻目に撮影開始だ!
とか何とか言いながら、肝心のアリスさんが自分のスマホを忘れてきていたのだ。
空港でスマホを忘れた川瀬くんと言い、何という健忘の神様に取り憑かれた旅か!
代わりに僕が撮影を頼まれた。もちろん全員が撮ってはいるんだけど。
そんな中、取れたのが、この奇跡の1枚だ。
撮影 BY ME である。
撮ろうと思って撮れるもんじゃない。あとで確認してみたら、何とハートが丁度、ディズニー的なポジションでシンクロナイズ。
Minnie Alice の完成だ。
そして更に僕の自撮り棒でみんなで記念撮影。
そしたらこんな写真が撮れちゃいました。
かくして爆笑撮影会は無事大成功。
「けえ〜んべ、けえ〜んべ。(=帰るべ、小田原弁)」ということで、砂ジャリジャリの坂の小道を上り、1人川瀬くんの待つ、車を停めた駐車場に向かったのであった。
坂を登っていると先に行っていたはずの智が再度ビーチの方に降りて行った。
何のこっちゃと思いながら、川瀬くんが木陰で待つ駐車場に着くと、
「智、ポーチが無いんだって。」と川瀬くん。
えーっ!それでか!さっきアリスさんの着替えの際、岩の上にワッサワサ荷物を置いて準備してたもんなあ。撤収もバタバタだったしな〜、、、。
取り敢えず車に座って、写真の確認などしながら吉報を待つ。
すると目がパキパキになった智が帰って来た。手ぶらだ。
智「無いっす。」
僕「何が入ってんの?免許?」
智「はい、、、、。」
いきなり旅に暗雲が立ち込めた。
万能なナビゲイターにしてコーディネイター、優秀なドライバーである智に、我々老人は全てを託しきっていたのだ。
智が運転出来ないのなら、最早、還暦だけに我々なんて赤子も同然。
健忘の神はまだまだ我々に取り憑いて離れていなかったのかっ!
智「アリスさん。もう1回荷物の中を見ていいですか?」
アリスさん「いいよ、いいよ。何回でも見て」
智「あざす」
しばらくゴソゴソと僕の座っていた車のトランクでやっていたのだが、、、。
「あっ!あったー!」
全員が歓喜に包まれたことは言うまでもない。
智も笑顔爆発である。
そして「智、これ見て」とMinnie Aliceの写真をすかさず見せる。
「ウォ〜!アガる〜!」
もう本当に良かったねえ〜。
でもこれ以降、皆んな警戒することにした。この旅は忘れ物の神様に狙われている。
そう思った方がいいかも知れない。
古宇利島を出て、再び南下。ベース・キャンプに戻る前にやんばるレゲエ祭の現状を覗いてみよう、と言うことになった。
会場である名護市の21世紀の森ビーチに向かう。
会場となる21世紀の森ビーチ海浜公園の中にある、闘牛場の様な形をしたイベント・スペース。恐らく本物の闘牛場では無いと思われる。牛の控え場みたいな施設もないし、ゲートみたいなものも無いし、多分これだけでは闘牛は出来ない。
すり鉢状に周囲が盛り上がって階段状の観客席とその上が芝生になっている。
入場料は無料である。既にステージでは地元名護のヒップヒップのユニットがラップをかましていた。
Jr.Deeと奥さんのアズちゃん、そしてMoominをすぐに発見した。
ひとまず会場を後にして、タマちゃん、ゆっこさんをピックアップしに、ベース・キャンプである宿舎に戻った。
さあ、メイン・イベントだ!山原レゲエ祭に全員で突入して遊ぶのだ!
元々沖縄のレゲエ関係者もそれなりに知ってはいるのだが、今回は、この数年の間に沖縄に移住していた知り合いに多く再会することになった。
まず、長年島で歌ってきたアーティスト、U-DOUのバックを務めていたバンドLOWTIDE SESSIONSのギターが、元々茅ヶ崎の住人キリンガーだったのには驚いた、
そして U-DOUのステージに呼び込まれたのは元々東京下町浅草のサウンド・クルー Racy Bullet のアーティスト・ユニット Ent Deal League 所属していたMIICKEY RICH だった。
全然知らなかったわ。
そうこうしているうちに辺りは夕日に包まれていった。
あれ、そう言えばまだ儀武くんたちにあってないじゃないか。周囲を見渡すといた!儀武ファミリーとの再会だ。
儀武くんたちは多分、さっき我々が会場の下見をして、一旦、引き上げたぐらいのタイミングで到着してたみたいだ。
ちょっと遅くなっちゃってアイちゃんに悪いことをした。
聞くところによるとアイちゃんは「ウォーリーを探せ」が好きで、そのノリで、会場に着いてからずっと高いところからモロユニコーンを探していてくれたらしい。
遅くなってごめんね〜、アイちゃん。
ライヴは進んでいく。
とうとうママチャイナ軍団待望のJr. Dee のオン・ステージだ。みんなステージ前に駆け付ける。
ジュニアのステージを楽しんでいると、急に小田原の後輩、ツカサが現れた。ツカサも今、沖縄にいるらしい。
この男は元々瘋癲である。フィリピンやら伊豆やらいろんなところに移り住んで、UFOを呼んだりして、スピリチュアルな活動もしている。
でもまあ、僕にとっては単純に地元の後輩。元気そうな顔を見れたのは良かった。
ジュニアのショーを堪能してちょっと休憩。
芝生の上にタマちゃんの持って来てくれた大きなレジャーシートを敷いて、みんなでのんびりしていたのだが、すいません、自分が酒をこぼしてしまいました。
タマちゃん、ごめん。
ともあれ。しばし儀武くんファミリーも一緒になってくつろいだ。
那覇在住の同士でサッちゃんとタマちゃんはこの出会いを機会に親交を深めていたみたいだ。
Epressのステージも芝生から見た。
昼間に実際のモグラに遭遇したのだが、それも沖縄のマジカル・パワーなのかも知れない。
あんなもん、滅多に見れるもんじゃないからね。しかも「モグラの唄」って曲が代表曲のやつがいるイベントで。
軽く奇跡だ。
そして彼も湘南の仲間、Moominの登場だ。
Moominは東関東大震災以降、家族と共に沖縄に移住して早13年だ。すっかりご当地に馴染んでる様で、伸び伸びと歌っていた。
なのだったが、僕の撮影した映像は斎藤正義の「歩いて帰ろう」のカバー・バージョンだったので、動画を僕のYou Tube チャンネルにアップしたところ、公開に制限がかかってしまった。残念!
Moominには申し訳ない。
いよいよイベントもフィナーレに近づいて来た様だ。地元の太鼓隊が登場して来た。
ステージの大トリは、地元のスカ・バンド The Barcox というバンドらしい。
気持ちいいThe Barcoxの演奏を聴いてライヴは終了。
僕のエナジーももう尽きかけていた。
もうこうなるとスイッチがOFFになってしまう。もう表情も乏しくなり、口数も少なくなってしまう。
時刻は22時を回っている。もう帰ろう。
誤算だったのは、イベント会場での飲食の出店だ。当然晩飯はそこに沖縄そばやらタコライズやら出店しているだろうから、それを食べればいいとみんな思っていたのだが、そういった店はなく、まともなものを食べていない。
もう帰りたいモードの僕は、全っ然っコンビニで良いのだが、オヤビン林くんは「俺はヤダよ。コンビニなんかの飯じゃ。」と不機嫌になってしまった。
でも答えは簡単。
我々茂呂夫妻は先に帰って、コンビニ飯食って、風呂入って寝てますわ。
ということになった。
当初から、この日のイベント終わりでタマちゃんとはサヨナラで、智が那覇まで送っていくことになっていた。
なのでママチャイナ軍団は「ついでだ」ということで僕らを除いた全員で、高速を飛ばして那覇まで行き、みんなでステーキを食べて、再度高速を飛ばして帰って来たのだそうだ。
午前3時ぐらいにワサワサしていたのは知っていた。
みんな本当にお疲れさん。
いや〜。長い長い1日が終わった。
Blog ありがとうございます!改めて楽しい思い出がブァーって込み上げて来ました。これからも宜しくお願いします。
アリスさん、気付くの遅くてすいません。なんせ初めてコメント頂いたもので。
こちらこそよろしくですよ。
林旅団の旅をこれからも続けましょう!