EMERALDA / EXPE
- epispde
- formura
- holizona
- caleide
- goya
- [Secret Track]
多様なエフェクトをかけたサンプリングのループを幾重にも重ね、万華鏡の様な驚異的な音楽を創り上げるギタリスト Yoshitake EXPEによる2012年に発表されたアルバム。彼の名付けたそのサウンドは [Space Guitar]と呼ぶらしい。
沼澤尚、千住宗臣、Marcelo Giorgione、貞長聖文らといった凄腕ドラマー陣や、ブラジルのハンド・パーカッション「パンデイロ」奏者のMarcos Suzanoなどといった、強力なリズム隊と共演しているところが本作の特筆すべき部分。アンビエント的な優しい聴感の音楽でありながら、緻密な多重録音が織りなすポリリズムと、凄腕の生ドラムとのセッションが生み出すファンクネス。垣間見える狂気にも似た静かな情熱。正に宇宙ギターが炸裂する作品である。
僕がEXPEさんのことを知ったのは2021年のこと。これまたこのブログに度々登場するお店、ケイシロウの店「HAYAKAWA39」で、ライヴがあると彼の奥さんカズナから聞いて出かけたことによる。
予備知識は全くゼロで、カズナの説明も「多分モロさんが好きそうな音楽」ということだけで何も分からなかった。ところが行ってみて聞いてみて体験してみてビックリ。正にブッ飛びミュージックだったのだ。
メロディが重なり合って、幾つもの残響と共にそれがどんどんビルド・アップして行き、気付くと壮大な音空間が出来上がっている。吸い込まれる様に聞き入ってしまうと、いつの間にか1時間ぐらいが経過している。音が止み、我に返って思うのが、何が凄いって驚異的な集中力でこのブッ飛びミュージックを1時間も1人で演奏し続けるEXPEさんが一番凄えな、ってことである。
少し話させて頂いたが、ご本人は、関西弁で、柔和で優しい感じの全く力むことのない生き方が滲み出ている様な方だった。機材を積み込んだ車で、その時はひとりで日本中を回っているとので妙に納得したのを覚えている。
そのライヴの現場で購入させて頂いたのが本作である。
朝早く目覚めた時に聞きたい爽やかだけどそれだけではないM1、同じ曲なのにパートごとにドラマーが違う(!)というどファンキーなM2、雄大で空に駆け上がっていく様なM5など佳曲揃いだ。ヘッドフォンなどで聞くと、もの凄く小さく入ってる音があり、それがとても重要なメロディのひとつだったりして驚いてしまう。
今回このテキストを書くにあたり、改めてWeb Siteを訪問させてもらったところ、新作が出るという。早速注文しました。機会があればその作品も紹介したい。
またYouTubeチャンネルもあり、EXPEさんの超絶ライヴも見ることができる。
https://www.youtube.com/channel/UCeMDm-b-38IGVVzsB_KWVzQ
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