日々モロ

橋の下大盆踊り2023、 DAY1に行ってきた。

最近はめっきり見ることが少なくなったのだが、たまたま覗いたFacebookで、かつてのAmazon仲間だったギタリストの” Big A”こと安倍真一さんの投稿を目にした。

彼の所属するバンド、バラッドショットが「橋の下大盆踊り2023」に参加するという。

そうか。橋の下の開催が近づいていたのか。

橋の下大盆踊り、というか橋の下音楽祭は、長年行きたかったイベントのひとつだった。名古屋方面の知り合いがこのタイミングになるとSNSでアップしている写真を見るにつけ、面白そうなことやってるな、とは常々思っていたのだ。

名古屋に越してきた今年。そして” Big A”こと安倍さんが出演するという今年。「行って来い」とフェスの神様がオレの背中を押している。2秒考えた末、初日だけ参加してみることにした。

橋の下大盆踊りは、2012年から橋の下音楽祭として、トヨタ・スタジアムに真横の、矢作川河川敷の千石公園で、毎年1回行われている音楽フェスティバルである。

主催するのは豊田出身で中部地域を基盤に全国で活動するバンド「タートル・アイランド」だ。

そのきっかけは、2011年の東日本大震災のボランティアをやったことに端を発しているという。

そこで感じた個人で出来ることの限界、自分たちの生き方、しいては自分たちの文化、ルーツに対する思いが、このイベントを始めるモチベーションだったとのことだ。

多くのボランティアと心ある有志で作られている祭りで、長い間入場無料で、ドネーションと協賛金だけで運営されてきた。にも関わらず、信じられないほどのクォリティを実現していることで有名な祭だ。

コロナ禍を経て、今はイベントを最低限存続させるために、前売りで1日2,000円、3日通しで5,000円の参加費を取る様になったが、その金額では普通味わえる内容ではないことは確実だ。

ようやくその場に足を踏み入れる時が来た様だ。

豊田駅までは僕の家からは名古屋市営地下鉄名城線で自由が丘駅から八事まで行き、八事から鶴舞線に乗り換え、赤池から名鉄線に乗り換える。電車に乗ってる時間は1時間もないだろう。

豊田駅からはひたすら真っ直ぐに豊田大橋を目指すだけだ。

随分近未来なデザインなんすね、豊田大橋。
昨日までの雨で濁ってました。矢作川。

矢作川とはいつも新東名を使って名古屋に来る時に豊田ジャンクション付近で見えるあの川か。いつか来たいと思ってた川だ。期せずしてその願いは叶った様だ。どうやらこの河川敷では無料でキャンプが出来るみたいだ。また来るぜ、矢作川。

会場の受付はトヨタスタジアムのゲートのひとつを使ってやっていた。内部が少し見ることが出来て、それも少し「おおおっ」と思うことであった。

サッカー専用スタジアムらしいコートと客席の近さ。

会場である橋の下に降りると、和的な世界観で構築された素晴らしいデコレーションの数々が展開されていた。

3日間のオープニングを飾った火付けぬ組。
会場中央には立派な鳥居が。
クォリティの高い出店が並ぶ。
大盆踊りだけあって縁日のイメージだ。但し酒飲みの。

“Big A”安倍さんを探そうかなと思ったら、すぐいた。ビールを飲んでいるところをすぐ発見した。今朝藤沢に集合して出発し、ちょっと前についたところだという。

安倍さんはかなり上手い優れたギタリストだ。年齢は同級生。かつて僕が辛酸を舐めた、というのは言い過ぎか、それなりに体を張って働いたAmazon小田原サイトで知り合った戦友である。

クラブ・ミュージック系でサウンド系、DJ系の僕と、ギタリストという技術者でありロック畑の安倍さんとは、気が合うものの、仕事として音楽を発注できるタイミングがあまり無かった。

それでも、一度、僕が神奈川県の二宮町で、環境系の野外映画イベントで音響を担当した時に、ギター1本弾き語りで出演してもらった事があった。

その時、これも僕が出店を依頼した「らーめんJAH」(湘南では知る人ぞ知る有名店だ。いろんな意味で)の店主大竹さんと初対面でなぜか意気投合し、現在は大竹さんと「よもぎーず」という独自路線のレゲエ・ユニットを結成し、アルバムまで出しているのだ。

今回はその「よもぎーず」というお笑い系(失礼!)ではなく、反骨精神溢れるアコースティック・パンク「バラッドショット」で参戦だ。

おじさんふたり。
プレイ中の姿はカッコいい。

バラッドショットはアコースティック・ギター2本とパーカッションの3人編成。演歌的でもあり、音頭的でもあり、ポーグスの様なアイリッシュ・パンク的な感じもあり、ボーカルの人のカリスマ性が光るバンドだった。おそらく皆さん同級生ぐらい。紆余曲折あっての今だろう。そのパンクな精神を貫くその姿勢にリスペクト。何を隠そうパンク・ロックは僕のルーツ・ミュージックでもあるのだ。

でも真似は出来ませんよ、僕なんかには、到底。その生き様は。

バラッドショットの皆さん。熱い演奏、ありがとう。

バラッドショットの演奏を見たら足が疲れてしまった。ひとまずここは腹ごしらえをして、どこか涼しいところで休憩しよう。

手にこぼれてしまいましたね。

店が沢山あり過ぎるのだが、なんか大阪の人がやってる感じのスパイスカリーを発見。食べてみることにした。

以前にも書いたことがあるが、基本僕はSNSが苦手な人である。

だからこの時も、後で記事にするためにお店の人に軽く話を聞けばいいのに、カリーの写真も受け取る時にその店のカウンターの上で撮らせて貰えばいいのに、歩き出し、ボタボタこばしながらウロウロする羽目になったのであった。

カリーは大変美味しゅうございました。

会場はやはりぬかるんでいたのでブーツで来て正解だった。椅子を持ってきて大正解だった。涼しげな大きなテントを見つけたのでそこで休むことにした。

日陰最高!!ブーツ、椅子、最高!
そこは第3のステージの前だったのだ。

少し休んでいるとサウンド・チェックが始まった。次のライヴが始まるらしい。Webサイトで公開されていたタイム・テーブルで確認すると「Plutana + Giant Steps + 石丸だいこ」という人たちらしい。

アコースティック・ギターの男の人と、小学生ぐらいの女の子のツイン・ボーカル、笛、ウッド・ベース、和太鼓、キーボードみたいな編成で、歌詞もサウンドも独自な感じ。おじさんのパンクを聞いた後の耳には一服の清涼剤だ。踊りの人もいて演劇的な要素もあった。

ちょっと見えにくいけど中央に着物を着た女の子がいるんだよね。
竜も練り歩いておりました。

結構涼んだので、チンドン屋さんの練り歩きがやってるみたいなので、橋の下に戻ることに。

そうしたらいきなり僕の今日のメインの見たかったバンド(安倍さんじゃないんかいっ!)、渋さ知らずオーケストラがいきなり始まったのだった!!

トランペット2本、クラリネット1本、アルト・サックス2本、テナー・サックス1本、バリトン・サックス1本、スーザフォン1本、だったかな?8管!ちゃんとは確認出来ませんでした。それにツイン・ドラム!ギター2本、ベース、といった編成だろうか。それらをコンダクターとしてまとめる不破大輔さん。女性ボーカル。ヤバいです。

いきなり物凄い音圧だ。橋の下の天然のエコーも相俟って、生音だけでもかなりの音量。最早用意されている機材だけでは制御しきれてない感がある。基本スピーカーは反響が無い方が、その性能を発揮出来るものなのだ。PAさん大変だろうな。

だけどそんなことを問題としないライヴ・ミュージックの素晴らしさ。パワー!グルーヴ!ヴァイブス!

テーマ・メロディから各楽器のソロ回し、そして再びテーマに戻って来る時のカタルシス。最終的にはメッチャ踊ってしまった。いや、踊らされてしまった。

渋さ知らずオーケストラの面々。カッコ良かったっす。

渋さ知らずが終わった頃には橋の下はメッチャ気持ちのいい風が吹き抜けていた。ボチボチ日も暮れてきた。安倍さんと、しばし一緒に呑んでいたバラッドショットのファンのコガさんに別れを告げ、帰路に付くことにした。楽しかったぜ!橋の下。来年もまた来たいな。

豊田駅に向かう空は夏の夕暮れだ。

時刻は18:30頃。歩きながら考えた。

晩飯はどうしよう。一応、今朝家を出る時は食べて来るとは言ってある。不確実だからだ。このまま真っ直ぐ帰って家に着くのは20:30ぐらいか。

選択肢は3つ。家で喰う。豊田駅周辺で喰う。自由が丘駅周辺で喰う。本山で降りて食べてから帰るも考えたが、それはちょっと遠回りだ。今日はもう疲れた。自由が丘駅周辺だったら「あやちゃん」っていうお好み焼き屋さんがあるが、着く頃には閉店時間は迫ってる感じがする。

歩き続けて駅付近まで来た。

手っ取り早く吉野家でもないかな、と思っていたら、パッと見、世界のヤマちゃんみたいな看板が見えた。接近していくと全然違う。「台湾ケンさん」だった。何だそれ。

いいんすかね?これ。まあ違うと言えば違うけど。
黄金の台湾メン。混ぜちゃいました。撮る前に。

入ってみることにした。

みんな大好き台湾系辛いラーメン各種。そのラーメンと一緒に頼めるお得なセットも豊富な組み合わせ。辛くないカテゴリーは町中華と名付けられ、呑みにも十分対応したラーメン居酒屋としても機能。台湾を軸に、最近の中華のあらゆるトレンドを全て取り込んだハイパーな店だった。普段は台湾ラーメンが少し苦手な僕だが、スタンダード・メニューの「黄金の台湾メン」を食べた。凍ったレモンを氷代わりに呑む「ケンさんのレモンサワー」も呑んだ。

近くにあったらまた行くかもな。

そんなこんなで家路に付いた。結構充実した1日であった。

暑さのピークも越え、出かけやすくなってきた。まだまだ知らないところだらけだ。またどこかに出かけよう。

でも遊んでばっかで怒られそうだ。

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